ホスピタリティ論。

ノマド・エジュケーションにとって重要な要素について、

これから数日に分けて検討していきたい。

 

ノマド・エジュケーションのキーワードには以下のものがあげられる。

 

①ホスピタリティ

②非日常性

③フロー経験・没我経験

④ネットワーク

 

まずはホスピタリティから検討したい。

 

ホスピタリティについては近年、各分野から考察がなされるようになってきている。

なお、本稿山本哲士の『ホスピタリティ原論』に影響を受けている点を先にことわっておきたい。

 

ホスピタリティとはサービスを超えたサービスである。

サービスは画一性を持っている。

「お客」であればすべての人にもたらされる。

 

ホスピタリティは異なる。

他者に応じて、必要とされるものを提供していく姿勢である。

「もてなし」の姿勢でもある。

 

他者に必要とされることを想像し、

その実現を行なっていく態度である。

 

このホスピタリティは、

人に応じて必要とされる教育サービスを提供する意味で

ノマド・エジュケーションのキーとなる。

 

ただ単に「学ばないといけないから」やるのではなく、

本当にその内容が必要だとわかり、

あるいはその内容の学習が楽しいというメッセージを伝えていく

教育のあり方である。

 

ホスピタリティということばは元々「ホスピス」から来ている。

死に逝く人の枕元で、最後の願いを叶える、という姿勢である。

 

今にも死にそうな人が「ラム酒を飲みたい」といったら、

たとえ高速道路を使ってでも願いを叶えようとするだろう。

ホスピタリティもこの枕元(=臨床)の場において求められるものを

うまく提供していく姿勢を意味する。

 

ホスピタリティが重視するのは、ホスピタリティを提供する相手は

本質的には「敵」である点だ。

 

そう、お客は「敵」なのだ。

 

「敵」だからこそ、理不尽な要求を行う。

「敵」だからこそ、事を荒立てずにものごとを解決すべきなのだ。

 

戦わずして相手に満足を提供する。

それがホスピタリティの本質である。

 

学校においても「モンスターペアレント」が騒がれている。

現場の教員は「問題だ」という接し方をすることが多い。

 

しかし、ホスピタリティの考え方からすれば、顧客がわがままをいうのは

「当り前」なのである。

なぜなら顧客は「敵」だからである。

 

「敵」だと認識するところから、

「どうすれば表立った対立をせずに解決できるか」

という知恵が導かれるのである。

 

どこまでも個人に立脚し、

個人が求める教育を提供する姿勢。

それこそがノマド・エジュケーションである。

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